事業を始める時や、個人事業の規模が拡大した時に、法人設立を検討する方は多いと思います。ここでは法人を設立するメリット・デメリットを紹介していきます。

法人設立のメリット

社会的信用を得られる

法人を設立する際には、事業目的、代表者の氏名＆住所、本店の所在地等を法務局で登記し、それらは一般への公開情報となります。言わば、社会的責任を果たす為の表明とも言えます。

取引先や金融機関との関係

取引の拡大や融資を受ける際に有利に働きます。
出資を募る際にも、株式会社の株主や合同会社の社員など、債権者としての権利が保障されている法人の方がより成功しやすくなります。

会社の人材確保

求職者は会社の継続性や社会保険の有無等を考慮しますので、従業員を募集する際に有利に働きます。
共同経営者を招く際にも、会社組織を作り役員として登記することで信用を得やすくなります。

節税出来る

法人には法人税法が適用され、税の負担で様々な優遇措置があります。

一定の水準を超えると法人税率＜個人所得税率となる

個人の所得税は所得が増えるほど税率も上がる累進課税制度をとっており最高税率で45%にもなりますが、法人税は多少の幅は有るものの最高でも20%台の前半となります。
個人の年間所得がおよそ700万円以上で税率が同等となり、900万円以上では所得税の方が高くなります。

損失を繰越すことが可能な期間が延びる

決算時に損失が発生した場合、青色申告の届出を出していれば翌年以降に損失を繰り越して、利益が出た年度で繰越損失を相殺することによって税金を抑えることが出来ます。
個人事業主の場合は3年間まで繰り越し可能ですが、法人では10年間と大幅に延びます。

経費に算入できるものが増える

代表的なものですと、個人事業主では事業主に対して給与や退職金を支給しても経費となりませんが、法人では代表者に対する報酬や退職金も経費として計上出来ます。
役員報酬や退職金には所得控除がありますのでトータルで大幅な節税が見込めます。

法人設立のデメリット

利益に関わらず毎年発生する税金がある

住民税（都道府県民税、市民税）には均等割があり、赤字の年度でも約7万円の税負担が発生します。

社会保険が強制適用になる

個人事業で従業員が少なく社会保険に加入していなかった場合でも、法人では強制適用となり社会保険料の負担額が増えます。

会計・税務処理が複雑化する

法人申告書を作成するには専門的な知識が必要となり、自身で作成する事は困難です。税理士に依頼する際にも一般的に個人申告より費用が高くなります。

まとめ

デメリットとして紹介した社会保険の加入も、見方を変えれば人材募集時のメリットとなりますし、税理士に依頼することで面倒な事務処理から解放され本業に集中することも可能になります。個人と法人で税負担が逆転する見込みがあれば、早めの法人設立を検討してみてはいかがでしょうか。より詳しく内容をお聞きしたい方は是非当社にご相談下さい。