補助金を申請するときの注意点

事業者にとって補助金は、「どんな補助金があるかわからない」「条件が厳しいと聞いたことがある」「申請の手続きが面倒そうだ」などといった理由から、活用されていない方が多いのではないでしょうか。
補助金とは、国、県、公的機関が、特定の目的や活動を支援するために事業者や団体などに提供する金銭的な支援です。補助金は誰でも受給できるものではなく、審査による評価が高い企業のみが補助金を受給できます。比較的申請が受理されやすく少額の給付が多い助成金などと異なり、申請が難しく条件が厳しい反面、補助額や補助率は大小様々で上限が億を超えるものもあります。
申請や条件が厳しく交付された企業は一定期間の報告が必要となりますが、基本的には補助された金額を返済する必要がないため、有効な資金調達の一つとなる場合があります。条件に合えば積極的に活用することも考えてみましょう。
今日は、申請する際に注意するポイントを下記に例としていくつか挙げております。補助金を最初から除外するのではなく、自分の目的や条件と照らし合わせ、有利な資金調達の一つとして考えるきっかけにしていただければ幸いです。
1. 補助金の目的と要件の理解
補助金は主に特定の目的や条件を達成するために公募されることが多いです。申請する前に、補助金の目的や要件を十分に理解し、ご自分が抱える状況とすり合わせをすることが申請資料作成の重要ポイントになります。
- ・補助金の対象となる事業内容や活動内容になっているか
- ・補助金を申請できる資格があるか
- ・補助金申請することで、何のメリットがあり、どんなデメリットがあるのか
(補助金の効果と申請に関する労力を効果判定しておく) - ・書類や資料を作ることができるか(提出期限や資料の専門性など)
2. 申請書の準備
申請書は補助金を受け取るための重要な書類ですが、この申請書作成に苦手意識を持つ方が多いのではないでしょうか。申請書を作成する際に、いくつかの注意点があります。 下記に例を上げましたので見てみましょう。
◎正確な情報の提供:
申請書には、正確な情報を記載することが求められます。虚偽の情報提供やその場限りの過剰な費用見積などを行うと、報告書など提出する際につじつまが合わず、対象外になったり、補助金そのものが取り消されたりする可能性があります。
また、正確な情報を書き出すことで、自分の現状把握にもつながります。 正確な情報や見積もりを算出することを心がけましょう。
◎詳細な事業計画:
審査する担当者が理解しやすく詳細な事業計画は、採択の可能性を高めます。 実行する事業の目的、実施方法、予算、スケジュールなどが明確でわかりやすくまとめられていることが重要です。
◎必要な書類の添付:
申請書には、事業計画書、予算計画書や事業に必要な資格、許可証など、必要に応じた書類を添付することがあります。 事業が終わった後には、報告書や補助金の使用用途がわかる財務諸表、支払い受領の証明資料などが求められる場合が多いです。 これらの資料作成や記録する環境も準備しておきましょう。
3. 期限の遵守
補助金の申請には期限があります。 発表されてから申請期限までが1か月しかないなど、期間が短いものも多くあります。 申請期限を守らないと、申請書自体が受理されません。 申請書の提出期限を確認し、余裕を持って準備を進めることが重要です。 提出が遅れると無駄になる可能性があります。
しかし、どうしても期限に間に合わない場合もあります。 しっかり作り込んだ資料は、次回同様の補助金が発表された際に、参考資料や申請のひな型として活用できるでしょう。
4. 補助金の使途の遵守
補助金は特定の目的のために提供される資金です。 使途に関する規定を確認し、採択された計画書に沿って使用する必要があります。 問題が発生した場合や予想外の事態が起こった場合は、早めに補助金支給担当者と相談し、計画の変更や停止など適切な対応を検討しましょう。
5. 報告義務の履行
補助金を受け取った場合、定期的に報告書の提出が求められることがあります。 報告書には、事業の進捗状況や補助金の使用状況などが記載されます。 報告義務を怠ると、補助金が取り消されるなどのペナルティが発生することもあります。 定期的な報告により、事業計画の進行状況を客観的に把握し、必要な対策を講じる機会にもなります。
注意点に気を付けて補助金を有効活用
補助金を獲得し、活用するためには、計画書や報告書の作成、期限の遵守など、手間と時間がかかります。
しかし、返済の必要がない資金調達方法として非常に魅力的です。 比較的受理されやすいが少額になりがちな助成金や給付金とは異なり、書類作成に手間をかけることで、多額の資金を見込める場合もあります。
補助金公募に挑戦することで、事業に大きな変革をもたらす可能性もあります。 要点や注意点を十分に理解し、準備を進めることで、申請が採択される可能性が高まります。 事業の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて改善策を講じることは、日常業務にも活かされるでしょう。
今回は補助金申請の際に注意すべきポイントを中心にご紹介しましたが、補助金を適切に活用し、事業を成功させるための一助となれば幸いです。