はじめに

個人事業主にとって、年に一度の確定申告は大切な手続きですが、不慣れな方や経理に詳しくない方にとっては戸惑いや不安を覚えるものです。確定申告はきちんと行わなければならない重要な義務ですが、計画的な準備と適切な対応を心掛ければ、スムーズに進めることが可能です。この記事では、個人事業主の確定申告において焦らず慌てず取り組むためのポイントを解説します。

確定申告の期限を把握する

確定申告の期限は毎年3月15日です。その日が土日である場合には翌月曜日が期限となります。ただし、申告期限が近づくと窓口は大混雑し、提出にかかる時間が大幅に伸びてしまいます。電子申告や郵送で提出するのであれば問題はありませんが、窓口での提出をされる場合は、2月末までに提出するのをおすすめします。

自分で電子申告の環境を整える場合

電子申告を送信する際には、e-TAXというシステムを利用して送信することになります。
その利用にはマイナンバーカードや電子証明書、それらを識別するためのカードリーダーや読み取り可能なスマートフォンを準備しておかなければなりません。
e-TAXへの登録は年間を通して可能であるため、事前に済ませておきましょう。

郵送で提出する場合

3月15日の消印があれば、税務署への到着が3月16日以降となっても大丈夫です。
ポストへの投函ではなく、郵便局の窓口にて発送するようにしましょう。

必要な届出書は事前に提出しておく

「個人事業の開業届出書」や「所得税の青色申告承認申請書」、「青色事業専従者給与に関する届出書」などは事前に提出しておく必要があります。提出期限があるものも多く、確定申告時期に提出忘れに気づいても間に合わない為、税金を多く納税しなければならなくなることもあります。それ以外にも、届出を提出しておくことにより税務署から様々な案内が届くようになりますので、忘れずに提出しておきましょう。

帳簿は随時作成していく

確定申告をスムーズに進めるためには、帳簿を随時作成していくことが大切です。1年分の領収証を確定申告時期にまとめて処理するのは大変手間がかかります。毎月の収入と支出を正確に記録し、領収書や請求書などの書類を整理して保管しましょう。経費の明細やカテゴリー分けも忘れずに行い、申告時に必要な情報を迅速に取り出せるようにします。帳簿が整理されていれば、収支や損益の把握が容易になり、申告作業がスムーズに進みます。

税務専門家のアドバイスを受ける

確定申告に関する疑問や不安を解消するためには、税務専門家に相談することがおすすめです。税理士や会計士に相談すれば、適切なアドバイスを受けることができます。特に初めての確定申告や税金に関する知識が不足している場合には、専門家のサポートを頼ることで安心して申告作業に取り組めます。
また、確定申告時期には税務署が臨時の確定申告会場を設置し、納税者の相談にも応じてくれますのでそれを利用するのも一つの方法です。混雑することが多く、申告書の作成自体をお願いすることは出来ませんので、早めに相談しその後の作業を行う時間を確保しましょう。

納税資金を貯めておく

税額の大小は、必ずしも手元資金の傾向とは一致しません。思わぬ高額の納税に備えるためにも、定期積金での積み立てや、事業用口座とは別口座に納税用資金を残しておくよう注意しましょう。

税務署のオンラインサービスを活用する

近年、税務署のオンラインサービスが充実しており、申告書の提出や納税手続きがオンラインで行えるようになっています。インターネットを活用することで、書類の郵送や窓口への出向きが不要になり、確定申告がより便利になります。オンラインサービスの利用に慣れておくと、申告作業がよりスムーズに進むでしょう。

余裕を持って早めの対応

申告期限ギリギリになって慌てることを避けるために、余裕を持って早めに申告作業に取り組みましょう。計画的な対応を心掛けることで、思わぬトラブルや遅延を回避できます。また、早めの段階で必要な書類や情報の確認を行い、不足や誤りがないように注意します。

まとめ

個人事業主の確定申告は重要な業務ですが、焦ることなく慌てずに取り組むために、スケジュールの把握や適切な帳簿管理、税務専門家のサポートやオンラインサービスの活用などが大切です。余裕を持って早めに申告作業に取り掛かり、計画的な準備を心掛けることで、確実な確定申告を行うことができます。税金に対するストレスを軽減し、経営に集中する時間を増やすためにも、確定申告に慌てずに取り組んでください。