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法人税について

個人事業主の所得には所得税がかかりますが、同じように法人の所得には法人税がかかります。法人を設立し決算をむかえた際には、税務署に法人税を申告しなければなりません。法人税とは、法人の事業活動で得た所得にかかる税金(国税)です。ちなみに法人に課せられる税金には、国税である法人税の他に、地方税である法人住民税と法人事業税があり、3つをまとめて法人税等と呼びます。今回は普通法人を前提とした法人税についてのお話させていただきます。

法人とは

法人設立手続きを行い法律によって権利や義務の主体となることを認められた組織のことです。

法人税が課せられる法人

【普通法人】
〇株式会社 〇有限会社 〇合同会社
〇合名会社 〇合資会社 〇相互会社  など

【その他】
〇協同組合 〇学校法人 〇NPO法人 〇特定医療法人 など 
※公共法人(独立行政法人など)には法人税はかかりません。

法人税が課せられる所得

益金から損金を引いた金額のことを指します。

益金・・・商品・製品の売上高や固定資産税の売却益、保険金収入など

損金・・・売上原価や販売管理費、災害損失など費用や損失にあたるもの


※益金と損金はあくまでも法人税法上の考え方です。企業会計上の収益や費用(経費)の金額と同一ではありません。企業会計により算出した純利益に、法人税法の規定に基づく税務調整を行ったものが、課税される所得となります。

税率について

法人税の税率は所得税の累進課税(所得が増えると税率が段階的に上がる、最大45%)と違い、税率は一定ですが会社の規模や法人の種類によって異なります。

税率

(注1)対象となる法人は、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるものまたは資本もしくは出資を有しないもの((注6)に掲げる特定の医療法人を除きます。)です。ただし、各事業年度終了の時において次の法人に該当するものについては、除かれます。

イ 相互会社および外国相互会社

口 大法人(次に掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人

(イ) 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人

(口) 相互会社および外国相互会社

(ハ) 受託法人

ハ 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記「口」に掲げる法人を除きます。)

ニ 投資法人

ホ 特定目的会社

へ 受託法人

(注2)適用除外事業者には、通算制度における適用除外事業者を含みます。

国税庁 ホームページ引用

税務調整について

税務調整の目的は企業会計による純利益を法人税法上の課税所得に修正することです。企業会計と法人税法では認識される利益が異なります。法人税等を正確に計算するために、税務調整を行うことになります。

企業会計の目的は、適正な損益計算を行い企業の利益を正しく把握すること。一方、税法の目的は、公平な課税を行えるように課税所得を把握することです。このような目的の違いから、企業会計上は収益(費用)に含まれても、公平な課税を行うためには益金(損金)に含めないものが出てくるため、税務調整を行います。

〈税務調整が行われるケース〉

○役員給与の損金不算入

→役員に対して定期的に支給する給与については、一定の期間においてその額が同額である必要性があります。定期同額給与に該当すれば、損金の額に算入されますが、月毎に変動があったり、その額が不相当に高額とされた場合等は損金不算入となり課税所得に加算されます。

○交際費等の損金不算入(※中小法人〈資本金の額等が1億円以下の法人〉の場合)

→交際費等の800万円までの損金算入が可能(もしくは、飲食費の50%相当額の損金算入のいずれか選択可能)であり、800万円を超えたものは損金不算入となり課税所得に加算されます。

○納税充当金から支出した事業税

→事業税は、申告書を提出した事業年度の損金となり、納付した分が課税所得の減算となります。

法人税と所得税の主な違いについて

【法人税】→ ※普通法人とした場合

課税対象・・・法人の所得(純利益に税務調整を行った金額)

課税方法・・・すべての所得を合算、調整して課税

税額計算の対象期間・・・定款に定めた1事業年度

申告期間・・・事業年度の終了日の翌日から2か月以内に申告書の提出が必要です。

【所得税】

課税対象・・・個人の所得

課税方法・・・所得が10種類に分類され、異なる計算方法で各所得を算出し、所得控除(扶養控除など)を差し引いた額に累進課税による税率が掛けられます。
※分離課税で税率が固定されているものも一部存在します。
(10種類)→利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・    退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得

税額計算の対象期間・・・1/1~12/31

申告期間・・・翌年、2/16~3/15の一ヶ月間(※3/15が土日祝の場合、翌平日の日までが期限となります。)

まとめ

今回は、普通法人を前提とした法人税の概要や個人の所得税の違いについてお話をさせていただきました。